家づくりへの思い
松原の家は、 夢の住まい実現へお客様と一緒になってつくりあげていきます。
理想の暮らしを共に形にしていくため、あなたの想いお聞かせください。
木造の住宅建築について
建物は永遠であると考えているわけではないのだが、そうかといって、20年や30年もてばいいだろうとはとても思えない。
新築で造っている途中や完成したばかりの家を見ても、なにが良くて、なにが良くなかったかは以外に、分からないことが多い。
整理整頓され、清掃片付けされ、さらに職人も礼儀正しい。
こんな現場なら良い仕事をしていてくれてるだろうと思う。
だが、これだけでは、やはりだめである。
増築、改築などの仕事を経験したことのある建築主、勿論職人ならだれでも気付いたことがあると思うが、何が傷んだか、何がもたなかったか、何が悪かったのか。
建築材料と職人について
大げさに言えば“脱”新建材でありたいと考えている。
「昔の建材はこんな風で悪かった。」
「今の建材はよくなって全然違うから、大丈夫。」
こんな会話が10年後にまた繰り返されていることを想像してほしい。
勿論、優れた建材が出てくることは大歓迎なのだが。
扱いやすい合板に代表されるような工業製品を無視しては、ほとんど建築は成り立たなくなっている。
それでも、あえて、そうではなかったはずのものを復活できないだろうか。
無理な部分もあるし、そのためのリスクへの対策が必要だが、ここで改めて職人の職能が不可欠になってくる。
そして何よりも建築主の理解が必要になってくる。
建築主の理解
例えば、床材の捨張りに今は12mmの耐水合板を使用しているが、できれば捨張りを杉板で施工したいと考えている。
しかし、僅かだが杉板が鳴る。
半年か1年かで消えて無くなると分かっていても「建てたばかりなのに、床鳴りするの?」と言われるとやはりつらい、理解をしていただける時だけ施工する。
屋根の野地板は仕上げ材にもよるが、出来る限り桧(杉)板を使用している。
今ではかなり普及したが、フローリングに代表される内装用無垢板材は、「床材」「壁材」「天井材」など輸入材を含めるとかなりの種類が流通している。
よく出来た箱入りの製品がほとんどであるが、ここでは従来の板材について考えると乾燥材とか、含水率がどうとか確かに注意すべき事がある。
木材は、元々そったり、曲がったり、あるいは割れたりするリスクがあるからこそ、どのような場所にどんな職能で施工するのかが大切で、必ずしもシックハウス対策で木材を使用するだけでなく、むしろ仕上材の耐久性を向上させるためにこそ、土壁と同様重要に考えている。
建築基準法に代表される建築の基準や品質の確保のための法律などは新建材が有利だが、昔から引継がれた材料、技術を、ただの趣味としてではなく、価値のある本来の実用として、身近なところで価値を感じる形で表現し、願わくば建築主は勿論、従来の職人たちと喜びあえるような建築を目標としたい。
地方の工務店として
現場監督や職人の確保には多くの工務店が苦戦しているが、地方にいると新卒(高卒や大卒)で「大工さんになりたい」と希望する若者が意外と多い。
小学生の将来なりたい職業でも、大工さんが上位にランクされている記事を見かける。
しかし残念ながら社会に実際に出てその夢を叶える若者はごく僅かである。左官やとび、他の職種も同じである。
建築主は職人との会話が少なくなって、家を作ってもらうという感謝の心があっても職人には伝わらない。
建築主に褒めてもらうと嬉しいし仕事に気持ちが入ってくるものだが、これが少なくなった。
「大工さんになりたい」と希望する若者がいなくなる前に何かの光明を見出したい。